ファイアーエムブレム エンゲージ レビュー
前作、風花雪月の販売から数年が経ち、そろそろファイアーエムブレムシリーズの新作が出るころかなと思っていた矢先、満を持して発売されたファイアーエムブレムエンゲージ。本作をプレイし、一通りクリアしたところで本作で感じたことを書いていこうと思います。
目次
プレイ前
『なんか主人公がチャラい・・・。』
左右の髪の色が赤と青で別れており、チャラついた印象しか浮かびませんでした。
これだけでも、前作風花雪月とは違った今どきの雰囲気に寄せたファイアーエムブレムなんだろうなと思ったのが正直なところです。
自分としては、バチバチに硬派な雰囲気のファイアーエムブレムが好きなため、今回のエンゲージははずれなのかもしれないとこのときは思っておりました。
オープニング
「せんのみらいにしゅくふくを~」
初見では何と言っているかわからない歌詞を聞き、最後までオープニングをみる。
正直なところ、聖闘士星矢のペガサス幻想を思い出すほどのわかりやすいオープニング曲であります。
アツい。ファイアーエムブレムらしからぬアツさ。これが時代というものでしょうか。
直球のアツさでは他シリーズではお目にかかれないアツさがひしひし伝わってきます。
前作の風花雪月とは明らかに違うゲームだよという印象を植え付けるには十分すぎる演出と思われます。
キャラクター
主人公は外見こそvtuberのような感じですが、性格は全然そんなことはなく、どちらかというとマルスやエリウッドのような思慮深い性格をした好青年です。
作中でも色々な経験をしていくのですが、笑顔でいるよりもどちらかというと沈んだ顔をしていることが多い印象があります。ただ明るいキャラよりもよほど魅力的ですね。
ネットでは、キャラが軽すぎたりこのキャラはこんな感じですを前面に押し出す演出が受け付けないと賛否両論ですが、個人的には楽しんで色々なキャラクター達を見させていただきました。
以下印象的なキャラクター達です。
ユナカ
よろぴっぴで精神ダメージを与えてくるユナカ氏。それ以外にもオタクっぽいしゃべり方で、戦争中だよねと心配になってくる強烈なキャラクターが印象的です。これはないなと思いながら、普通に戦っていると、なにやらクリティカルを出したときに聞ける
「油断した?」
の激シブボイスでいままで持っていた印象を180度覆してきます。
支援会話等でわかるのですが、素性も性格も隠しながら生活していることがわかり、これまた魅力的なキャラクターへと変わっていきました。
スタルーク
土下座。
自己肯定感0の第二王子、スタルーク。
その強烈な登場シーンで、エンゲージを象徴するキャラクターの一人です。
やたらと自分を卑下しており兄のディアマンドには一生追い付けないと思っている可哀そうな性格の彼ですが、一級品の戦力でありディアマンドがかすむほどです。
専用スキルの月光が強く、技もあがりやすいため彼のためにあるスキルです。強敵をバッタバッタなぎ倒していく様はディアマンドが逆に可哀そうになっていくほどです。(兄よりすぐれた弟など存在しねえ!)
ストーリー中でも、主張するときは主張する芯の強い部分があるため、第一印象ほど変なキャラクターではありませんでした。
クロエ
ペガサスナイトのクロエ。
何がとは言わないが、少しばかりデカすぎる。
戦闘よりもそちらにばかり目が行ってしまい、集中できるものも出来ません。
戦闘時もそうですが、ソラネル時の私服もモリモリであります。目の保養であります。
うぇーい
だめだ、こいつだけはダメだった。疲れがたまっていたときにプレイしてましたが、うえーいの声を聞いただけで、今日は終わりにするかとなってしまったパンドロだけはダメでした。いい奴なんですが、パリピは受け付けませんでした。ファンの方ごめんなさい。
他にも愛着がわいてしまいついつい使いたくなってしまうキャラクター達が多くて、微笑ましい気分にさせてくれました。殺伐とした前作もよかったのですが、これがこれでいい気がします。
ストーリー
わかりやすい勧善懲悪ものです。
それぞれの主義主張が入り乱れている前作とは打って変わっております。
この部分でエンゲージ否定派と肯定派が分かれているような気がします。私としてはどちらも楽しめたので文句はありません。
わかりやすくはあるものの、単調かというと道中様々なイベントがあるため退屈することはあまりありませんでした。盛り上がるところは盛り上がるため、飽きさせない工夫はところどころにある感じです。
ラスボスが唯一心を許した「礎の紋章士」などの気になる登場人物は終ぞ謎のままで、次回作以降の伏線になるのかなと思いました。
BGM
最終章のラストエンゲージはかなりの良曲でした。
最後の盛り上がるシーンからのこの曲なので、最終章は何が何でも勝ってやるぞという気持ちにさせられました(それでも難しいのがFEです・・・)。
それ以外の曲では、カムイステージの曲や四狗戦、終盤からの自軍側の曲などがあげられます。
FEシリーズにしてはあまりパッとしない曲が多かったかなという印象です。
人それぞれなのでそのあたりはしょうがない気もしますが。
システム
エンゲージシステムがなんといってもこのゲームの肝の部分となっています。
指輪(腕輪)に宿る歴代主人公達を、どのタイミングで使うか、誰に使うかで、戦闘のバランス・難易度が大きく変わってきます。
このあたりのさじ加減は見事としか言いようがなく、新しいFEシリーズの礎となるといってもよいでしょう。
自由度と戦略性を見事に両立しているのは素晴らしいとしか言いようがありません。
「ストーリーは凡作で、システムは最高」
と言われているのもうなずける完成度の高いシステムとなっています。
ただ、理解するまで時間がかかり若干わかりにくい部分はあったので、理解できるまでが勝負といったところです。どの紋章士が強くて弱いのかも手探りの状態のため、時間がかかる部分に拍車をかけているのも否めません。上手くシステムを理解していくことがこのゲームを制することになっていきます。
難易度
高いです。手ごわいシミュレーションです。
先ほど紹介したエンゲージシステムを理解すれば、楽になる部分はあるのですが、それでも一部の章などは何回もやり直しを余儀なくされるでしょう。
ハードしかクリアしたことがないのですが、ルナティックの恐ろしさはハードのそれ以上のようで、手ごわいシミュレーションを経験したい方は是非とも挑んでみるといいでしょう。
ただ、難易度を挙げている部分が敵の増援による数の暴力が大半です。
単調と言えば単調で、どのタイミング、どの場所、何のフラグかを覚えていれば大体どうにかなります。
初見さんお断りの覚えゲーですので、その辺りでも賛否が分かれる部分ではあります。
幸いプレイ中に回数制限があるとは言え、巻き戻し機能が備わっているため、根気強くやれば自ずと勝機は見えてきます。
総評
ストーリーやキャラクターはわかりやすく、軽くはなっているものの手ごわいシミュレーションの部分は全然かわっておりません。難易度の部分でもエンゲージを上手く使って難易度を下げることもできるので意外ととっつきやすいゲームと言えます。
蓋を開けてみれば、いつものFEシリーズの安定した面白さを与えてくれる魅力的なゲームとなっています。
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