ゼルダの伝説 夢を見る島 レビュー

2022年9月1日

ゲームボーイで発売したゼルダの伝説夢を見る島。

筆者が小学生の頃、夏休み中親の単身赴任先に行っていたときにやりこんだゲームです。

単身赴任先が愛媛県だったので、一六タルトや道後温泉をその時に覚えた記憶があり、夢を見る島を見るとそれらの記憶が一緒に蘇るゼルダタイトルでもあります。

どうでもよい情報でしたが、それでは具体的なレビューをしていきましょう。

目次

切ないストーリー

リンク大海原にて。これまでの冒険を振り返っているのはプレイヤーも同じです。

クリアするまでは謎解きがあったり、アイテムを手に入れたりでいつものゼルダです。

しかし、中盤以降になると島のある秘密を知ることになります。

その秘密のせいでこれ以上進めることをためらわせるような演出が入り、一気に続きが気になっていくストーリー展開となります。

それまでダンジョンをクリアしさえすれば、めでたしめでたしの展開を期待していたプレイヤーを大いに悩ませる展開で、クリアしたらどうなるんだろうとますます続きが気になったものです。

結局は風のさかなを起こしてリンクは島を出ることがかなうことになるのですが、その代償はなかなか大きいもので、プレイヤーに切ない余韻を残させるものとなっています。

ヒロインのマリンといっしょに冒険した日々が忘れられず、茫然自失となったプレイヤーもいたとかいないとか・・・・。

またハードの性能のせいなのか、前作SFCでの神々のトライフォースよりも演出は控えめで、全体的な雰囲気は淡々としています。

子供の頃の私にとって物足りなさを感じたものですが、今になって思えば中盤以降の切なく衝撃的なストーリーを逆に際立たせている演出となっています。

道中にも切なさがあふれています・・・。

面白さ

ゲームボーイであろうとゼルダらしさは失われてはおらず、謎解きやダンジョン攻略はプレイヤーを大いに悩ませます。

どのアイテムをどこで使うんだろうと考えさせるのはもちろん、A、Bボタンが独立してアイテムをもたせられるため、組み合わせでアイテムを使うことで思わぬ効果を得れたりします。

その組み合わせも直感的にわかる組み合わせとなっており、理不尽さを感じさせるものではありません。

それゆえ考えればわかる謎解きメインとなっており、不快さを感じることは少ないと思われます。

また、秘密の貝殻集めなど攻略以外のアイテム集めもなかなか面白く、その報酬も相まってあやしいところはスコップでほったり岩をどかしてみたりしたものです。

ただ、ハートのかけらに関して言えばコンプリートするのはかなり大変だと思われます。

何の変哲もない壁を爆弾で壊したり、これまた目印のない川に潜ったりとかなり骨が折れます。自力で見つけれた人は大いに自慢していいと思いますw

BGM

場面ごとにマッチしたBGMが多く、派手さはないものの気軽に聞けて耳に残りやすい音楽が多いのが今作のBGMの特徴です。

任天堂製のゲームは全体的にそのような特徴が多いのですが、この夢を見る島もその例外に漏れていないようです。

ストーリーの核心に迫る、とある神殿のBGMはプレイヤーに焦燥感を抱かせ恐怖を感じさせるものとなっており、これまでのほのぼのとした牧歌的な雰囲気を覆してきます。

この神殿から一気に難易度も高くなる感じで、一筋縄ではいかなくなります。

また、打って変わってタルタル高地の曲など勇ましいBGMもあり、プレイヤーを飽きさせません。

全体的にほのぼのしているけれど、場面にマッチしており完成度の高さに目を奪われます。

唯一惜しいかなと思った点

アイテムの出し入れが若干面倒なことです。

画面外に行くだけでスクロールするタイプのゲームですが、場面ごとに岩を持てるアイテムが必要かと思ったら、穴を飛ぶアイテムが必要だったり、

気軽に移動するには障害物が多く移動するだけで苦労させられる場面は多いかなあというのが感想です。

アイテムをAボタンかBボタンかに自由に持たせられることで自由度は増したのですが、別の点でその利点を阻害されてしまった感じがして惜しいなあと思いました。

全体的に・・・

どの点も完成度が高く、今も根強いファンがいる今作の夢を見る島。

その切なく儚いストーリー展開はどのゼルダシリーズにも見れない、異質で稀有なストーリーとなっています。

ゼルダシリーズ恒例の謎解きもしっかり完備されており、穴がありません。

今なら、スイッチ版で大幅にリメイクされているバージョンが出ているため、まだプレイされていない方は是非プレイすることをお勧めします。