ゲームレビュー 悪魔城伝説 ファミコン
コナミの人気ゴシックホラーアクションゲーム。
多くの派生作品が未だに出ている、コナミの看板作品です。
目次
癖があるが虜になるアクション
アクションゲームということもあって、自キャラを操作することになるのですがこのゲームを特徴づけているのが、主人公の癖の強いアクション。
基本的な武器がムチです。途中でアイテムを拾うことで2段階強くなっていくのですが、ボタンを押してちょっと経ってから攻撃判定が出るため、まずはこの攻撃判定が出るまでの間の時間を体で覚えていくことになります。
覚えてしまうと不思議と攻撃するだけでも面白くなっていきます。普通に当てるだけでなく、ジャンプ下降中に格好つけて当てるなど出来るようになると取り合えず初心者卒業です。
ただ、敵も止まっているだけの敵だけでなく素早く動きながら体当たりしてくる敵や何発も当てないと死なない敵、遠いところから玉を打ってくるいやらしい敵などが盛りだくさん出てきます。
これらの敵を、当てるのに一苦労するムチで倒していくところにこのゲームの面白さが隠れていると言えるでしょう。
また、ジャンプの仕様も一度飛んでしまうと方向転換出来ないタイプのジャンプとなっています。
このようなジャンプ方法なのですが、その割にはジャンプを要求するような箇所が何か所も出てきたりします。
それも、ミスすると一撃で死んでしまうというアクションゲームが苦手な人にとってはいじめのような構造をした箇所が頻発して立ちはだかってきます。
それと複合して空を飛ぶ敵(コウモリやメデューサヘッドなど)が待ってましたとばかりに体当たりを仕掛けてきて、ぶつかって吹っ飛ばされて穴に落ちてゲームオーバーなどはもはや日常茶飯事で起きる出来事と言えます。
そんなせいもあって、ドラキュラシリーズは硬派ゲームの類に属すると言えます。
何回も死んでその都度、体で覚えいつの間にかクリア出来るようになっていく・・・・。昔のゲームでありがちではありますが、覚えゲーの要素が色濃く出ているゲームでもあります。
難しいゲームなのですが、クリア出来るようになると今までの失敗よりも達成感が勝ること請け合いです。そのような達成感があるため、ただの難しいゲームでなく名作アクションとして不動の地位を築くことが出来たのです。
洗練されたBGM
もはや、語るまでもないドラキュラシリーズと言えば場面ごとにあったBGMです。
始まりのステージの「beginning」
静けさと不気味さと優雅さを重厚に織り交ぜた「clockwork」
小学生が聞くと夜中トイレに行けなくなるほど怖い「Nightmare」
勇ましいのにどこか悲しさを内包した著者お気に入りの「Aquarius」
コナミ矩形波俱楽部の「捨て曲なし」ぶりが遺憾なく発揮されているBGMは20数年たった今でも多くのゲーマー達の耳を虜にしていると言っても言い過ぎではありません。
ホラーゲームならではの敵
立ちはだかる敵はドラキュラを筆頭にスケルトンやゾンビ、コウモリやメデューサ等西洋の妖怪や化け物達を相手に戦っていきます。
先ほど紹介したbgmと不気味なステージなどといっしょにこのような敵たちを相手取ると、ゲームへの没入感が一味違ってきます。
世界観が統一されており、キャラクター・bgm・ステージが違和感なく混ざり合い一筋縄ではいかない敵たちをスタイリッシュなアクションで聞きごたえのあるbgmで撃破出来ると自分がバンバイアキラーになってしまったのではと錯覚すること請け合いです。
しかし、敵もとにかく強い敵が出てくるのですが、なかでも多くのプレイヤーを泣かせてきたのはドラキュラの副官でもある「死神」でしょう。
不吉を象徴するような出で立ちで、画面を回避の難しい鎌で覆いつくし数々のプレイヤーを闇に葬ってきた敵キャラクターです。
シンプルな姿なのですが、なぜか不思議と格好良く見えてしまう敵で人気の高いキャラクターでもあります。
またこのステージのBGMは初代悪魔城ドラキュラのステージ1のアレンジ、Dejavu。
プレイヤーを鼓舞し、燃えてくるような闘志を潰すかのようにこのステージのボスとしてプレイヤーに立ちはだかってきます。
個性的な仲間たち
初心者救済措置でもあるのか、今回のドラキュラは仲間と交代してステージを進めることが出来ます。
基本武器がナイフでジャンプ力もあって壁に張り付くことの出来るグラント。
魔法を駆使し、本体は非力でも魔法でごり押しできるサイファ。
ドラキュラの息子で、コウモリに変身して足場の悪い面を楽に進めることの出来るアルカード。
仲間のいるステージをクリアすることで、仲間に出来るようになり交代はセレクトボタン一つでスムーズに代わることが出来ます。
体力は主人公のラルフベルモンドと共有する形になり、一方がダメージを受けてしまうと片方もダメージを受ける形になります。
ラルフよりも性能面が優れていることが多く、様々な難所を仲間と交代して切り抜けることが出来るようになりました。
ドラキュラシリーズの難易度は並みのゲーマーでは太刀打ち出来るものではないため、今回の仕様が加わった形になったのでしょう。
しかし、仲間要素は今回だけであり以降のシリーズでは取り入られることはなくなりました。難易度調整に一役買っていただけに残念な出来事であります。
終わりに
子供がやるには、大人びていて硬派な雰囲気が漂うゴシックホラーアクション。
癖の強い操作性で難易度は低くなく、人を選ぶゲームです。
ただそれだけでプレイをすることを遠慮するのはもったいない要素を多分に含んだゲームでもあります。bgmからステージの雰囲気まで魅力あふれる要素が目白押しなのです。
余談ですが、今のシリーズはrpg要素を含んだドラキュラとなってしまっており、昔のドラキュラとはいささか違うゲームになってしまっています。
古き良きアクションゲームをしたい、古参のゲーマーにはちょっと寂しくも時代の流れを感じでしまう変化と言えるでしょう。ステージクリア型の昔のドラキュラを遊びたい自分にとってはなんとも言えない歯がゆさを感じている日々です。
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